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子どもがネットで有害情報に接しないよう講座開かれる(群馬)
子どもたちをインターネットの有害情報から守ろうと、県などはこのほど、前橋市内での今年度第1回「県子どもセーフネットインストラクター」養成講座をを開いた。悪質な情報がネット上にあふれる実態を調べて問題解決に取り組む人材を育成する講座で、教育関係者や父母ら16人が参加。県内でも子どもが携帯電話で、わいせつ情報などに自由にアクセスできる実態が生々しく紹介された。
「これは子ども向けのわいせつ情報サイトになってしまった。『2ちゃんねる』よりも悪質な情報が混入している」。群馬大社会情報学部の下田博次教授が、学校ごとの“裏情報”を生徒らが書き込む掲示板「学校裏サイト」を解説した。
パソコン画面には、県内のある学校に関したサイトが表示され、項目の一つをクリックすると、わいせつ画像が大写しされ、参加者は一様に眉をひそめた。
下田教授が主宰するNPO(非営利組織)「ねちずん村」は、2006年9月から今年1月に、延べ約200の県内「学校裏サイト」をモニター。ほかの生徒に関する性的デマを流す例もあり、管理者は生徒や卒業生が多かったという。「わいせつ情報、誹謗中傷、暴力誘発情報が極めて多い」と判断した三つのサイトを、学校や保護者に働きかけて閉鎖に導いた。
下田教授は、こうした研究成果から「子どもだけで作った遊び場に見えて、裏にはネットを利用した風俗業者もいる」と指摘。書き込みには、大人がわいせつ行為を誘うものもあり、「子どもと、保護者が子どもに近づけたくない大人が直接つながる」とまとめた。
子どもたちの間で急速に広まる自己紹介用簡易ホームページ「プロフ」では、県内の小学生も実名や学校名、学年などを安易に公開する“出会いの場”でもある例を紹介。あるインストラクターは「親も知らない子どもの1日の様子が、誰でも手に取るようにわかる」と、情報が悪用される危険性を指摘した。
この養成講座は、下田教授などが05年に初めて開いた。受講者16人はNPO「ねちずん村」を通じて学校などに出向き、教員や保護者らを対象に講習会を続ける。今年度は状況がさらに深刻化し、講座開催の要望も多いことから、10月までに座学と実習を2回ずつ行い、実態調査用の技術などを教える。
講座に参加した主婦(41)は「小学6年生の息子が携帯電話をほしがっていたが、危険な事例を説明して与えない」と険しい表情で話した。
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警察庁のまとめでは、06年に認知した出会い系サイト関連の事件は1915件。被害者1387人のうち、18歳未満は1153人(約83%)で、うち約97%が携帯電話でアクセスしていた。
(2007年6月18日 読売新聞)
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